2018/03/05
本年度の修学旅行は、イタリアとオーストリアの2か国を巡る旅です。3月2日(金)21:30に羽田空港に集合で、帰国は3月9日(金)の夜の予定ですから、機中泊を入れて6泊8日という日程です。
保護者のかたがたに見送られ、エールフランス便に搭乗し、パリ経由で最初の見学地フィレンツェにほぼ予定通りの現地時刻3月3日(土)09:15頃到着。今年はあいにくの小雨の中をピサに移動しました。
ピサでは大聖堂と隣接する洗礼堂と世界に名高い斜塔を見学しました。斜塔を見た生徒たちの最初の反応は、「本当に傾いているんだ」という素朴な反応。ガリレオ・ガリレイが大聖堂のランプが揺れるのを見て振り子の原理を発見したとか、斜塔の上から大小の重りを落下させて落体運動の原理を発見したという伝説は、今日では信憑性が低いとされてますが、そうはいっても伝説が生まれるだけでも大した場所です。生徒たちは、もしかすると科学史上の世紀の大発見の現場に自分自身がまさに今いるのかもしれない、という事実を一種不思議なことと受け止めていた様子でした。国外の世界遺産を見学するとは、そういうことなのでしょう。
ピサで昼食の後はフィレンツェへ移動。フィレンツェもあいにくと寒くて雨の天候でしたが、まずは丘の上のミケランジェロ広場へ。ここからは本来サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の丸屋根などフィレンツェの全景が見渡せるはずなのですが、この日は雨で町がやや霞んでいました。しかし、これはこれで風情があります。
市内の見学は、サンタ・クローチェ教会から。今回は時間の制約から中には入らず、ルネサンス風のファサードを外から見学し、市の政庁であったヴェッキオ宮殿前を経由して貴金属店の店舗が乗る橋で有名なヴェッキオ橋を経て、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂へ。その後はとって返して、ルネサンス美術のメッカともいうべきウフィツィ美術館の見学です。この美術館は、ルネサンス期を中心としたメディチ家のコレクションを中心とした収蔵品で知られますが、近年建物自体のリノヴェーションもあり、また収蔵作品の修復も進み、その印象を全く一新させつつあり、従来以上の多くの作品を、描かれた当時の新鮮な姿で見せてくれます。
この美術館の誇る名作には、ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」、カラヴァッジョの「バッカス」など、ごく最近日本に来た作品もあります。しかしその一方で、おそらくは今後も日本に来ることは難しいだろうと思われるボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」や「春」のような名作も少なくなく、今年の生徒たちは例年になく熱心に見入っていました。
ウフィツィの後は、サヴォナローラ処刑の場所として知られる市庁舎前のプレートなどを見学しつつ夕食会場へ。この日のメニューはフィレンツェ名物のビステッカ(Tボーンステーキ)。そして、今年は食後に列車でローマへ移動というややハードなスケジュールでした。
今回利用したいわばイタリアの新幹線Frecciarossa、英語風に言えばRed Arrow(日本のどこかの特急のようですが)、フィレンツェ→ローマを約100分あまりで結ぶというので、それはそれで結構なことなのですが、フィレンツェ到着が50分の遅延。100分しかかからないと言っても50分遅れるのでは・・・、という気にならないではいられなかったのですが、今回参加者の中にはこれに乗るのが楽しみでしたという鉄道ファンもいました。
ローマ着はほぼ23:00、ホテル着は23:20でした。日本時間3月2日(金)21:30の集合からほぼ34時間、2万6000歩あまりの初日がようやく終わりました。