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高校2年生修学旅行(国外)リポート 第6日

2017/03/09

6日目は、イタリアらしい青空の広がる天気となりました。風が強いため、温度は高くないのですが、昼にかけてこの風がおさまってくると暖かく、まさに春の到来を感じさせる陽気となりました。

この日最初の見学場所は、古代ローマの遺跡としては最も名高いコロッセウムです。映画などを通じて、古代のローマ人が剣闘士と猛獣との闘いを好んで見たことは知られていますが、このコロッセウムは当時帝国内で最大の競技場でした。紀元1世紀末に5万人収容の競技場を造った技術力は驚嘆に値しますが、その高い文明と人間と猛獣の闘いという今日的には非文明的に見えてしまう娯楽とが共存していたところが、歴史というものの面白いところで、現代の価値観で過去をあれこれ言うのは禁物かもしれません。われわれの文明も、千年・二千年後には何と言われるか心配です。生徒たちは、コロッセウムの技術と、剣闘士たちの昔話に興味津々の様子でした。

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続いては隣接する古代ローマの官庁街であるフォロ・ロマーノへ。紀元前6~5世紀頃から徐々に整備されたこの古代帝国の中枢部分は、帝国崩壊後の紀元5~6世紀以降は荒廃に任せるままの時代もありましたが、それでも今なお盛時の姿をしのばせるに足るだけの建築物やその跡が残っています。生徒からは「ディズニーランド的というか何というか・・・」といった感想も漏れてたようですが、なにかタイムマシンに乗って過去に滑ってきたような錯覚を起こさせるものがあります。アントニウスやカエサルが活躍したまさにその場所に自分がいるという事実に、生徒は少々驚いていた様子でした。

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フォロロマーノを出て、ミケランジェロの設計と言われるカンピドーリオ広場を経由してバスに再乗車し、次の見学地であるボルゲーゼ美術館に移動。バロック時代を代表する彫刻家ベルニーニや、画家カラヴァッジョ(昨年日本でも特別展が開催されました)の傑作群に、それらの作品を上回る美術史的価値があるとも言われるティツィアーノの代表作「聖愛と俗愛」が、この美術館の自慢するコレクションの中核です。また、周囲の広大な公園はローマ市民の憩いの場であり、近代イタリアの作曲家レスピーギの交響詩「ローマの松」の第1曲として登場することで有名です。一連のベルニーニの作品は、日本で言うと江戸初期の作品になりますが、考えられない高度なテクニックにより人体の柔らかさ(大理石にもかかわらず!)、躍動感を余すところなく表現しており、昨年の流行語を借りれば、まさに「神ってる」神業の領域です。

ボルゲーゼ美術館の見学の後は、ヴァチカンの近くまで移動してピッツアの昼食です。昨晩のパスタに続き、生徒は本場イタリアの食事を堪能している様子でした。

食後は本日のハイライトとも言うべきヴァチカンへ。生徒は、「世界最小の独立国ヴァチカン市国」という場所に強く興味を感じていた様ですが、その意味では少々残念なことに特にハッキリとした国境やパスポートコントロールがある訳でもなく、ヴァチカンとイタリアの微妙な関係は少々分かり難かったかもしれません。それはさておき、ヴァチカン博物館ではまず世界史の教科書等でお馴染みのヘレニズム期の傑作ラオコーン像をはじめ、ミケランジェロも絶賛のトルソなどの彫刻を見学。さらにゴブラン織りの回廊や地図の回廊を経て、ラファエロの間に。ここにはあの有名な「アテネの学堂」があります。ともかく、世界史や美術の教科書に出てくる傑作群が次々に目の前に出てくる訳で、非常に充実した見学です。

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そしてそのクライマックスが、システナ礼拝堂です。システナ礼拝堂はローマ教皇選出のための会議が開かれることでも知られますが、ボッティチェリほかのルネサンスを代表する画家たちの作品と、ミケランジェロの天井画と最後の審判がある、いわばルネサンス美術の頂点ともいうべき空間です。これだけを2間の間に一気に見たわけで、文化的にはもうお腹いっぱいという感覚になった生徒もいたかもしれません。

システナ礼拝堂の後は、カトリックの総本山サン・ピエトロの見学です。キリスト教世界最大の教会です。実はこの教会もルネサンスやバロック芸術の傑作のかたまりです。巨大なキューポラや入口付近にあるピエタ像(我が子イエスの死を悲しむ聖母マリアの像)はミケランジェロ作ですし、巨大な祭壇はベルニーニの手になるものです。生徒たちはかなり積極的に見学していた様子でしたが、あらためてローマという町の文化的な多様さを認識したのではないでしょうか。3月というやや季節外れの時期にもかかわらず、膨大な数の世界各国からの見学者が今日もヴァティカンを訪れているのはむべなるかなです。

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サンピエトロ見学を終えて外に出ると、そろそろ夕暮れが迫っていました。充実していたローマの見学もこれで終了。ローマ時代の大浴場(テルミニ・ロマエ)の横を通り、テルミニ駅近くのレストランへ移動して、夕食です。パスタ(ヴォンゴレ)または魚貝のリゾットに豚または鶏のローストという選択ができるメニューでしたが、面白いことにリゾットを選んだのはほとんど女子ばかりでした。そろそろ米食が懐かしいという女子もいました。

夕食の後は、航空機の予約の関係もあり、テルミニ駅から特急を使ってミラノに移動しなくてはなりません。しかし、今回の参加者にはいわゆる「鉄ちゃん」はいないようではありますが、今回は鉄道ファンからすれば垂涎の旅行です。「夜汽車の旅情も悪くない」という生徒もいました。到着駅はミラノ中央駅。ドイツに続くイタリアでの鉄道の旅も良い経験でした。

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