2018/11/30
11月28日(水)、曇天。当初天気が崩れることが予想されましたが、どうやら雨はなさそうです。
2日目のテーマの一つは日本の伝統文化に触れることです。最初の見学地は松江城、別名は千鳥城といいます。最近になって建築年代を確定させる資料の発見があり、2015年にはれて天守が国宝に指定されました。現存する数少ない往時の姿を残す木造城郭です。生徒達は見学しながら場内の階段をあがっていきますが、階段が狭く急であることに驚いていました。実際に天守の中を動くことで。日本の城郭の構造がよく理解できたと思います。天守閣最上階からは晩秋の宍道湖と松江市が一望できました。
次の見学地は、小泉八雲記念館と八雲旧居です。旧居が狭いことから、学級ごとに記念館と旧居を時間差で見学しました。昨晩お話ししていただいた小泉凡先生は今日も自ら生徒達に解説をして下さいました。昨晩時間の関係でできなかった小泉凡先生への質問をしている生徒の姿もありました。記念館では数多くの八雲ゆかりの品々を見学し、記念館の2階では映像資料も見ました。また、小泉八雲が15か月住んだと言われている旧居は、もともとは武家屋敷でしたが、八雲が愛した日本風の庭が印象的です。
11:00に松江を出発し、車窓から宍道湖を眺めながらバスの中で昼食をとりました。
12:00過ぎに出雲大社に到着。日本を代表する神社の一つである出雲大社ですが、毎年権宮司の千家先生の計らいで、ご本殿前など通常は入れない部分にも入れて頂き、社務所の方から細かな説明を受けました。出雲大社のご本殿は大社造で、左右非対称であることが特徴です。6世紀に入ってきた仏教の影響を強く受けながら日本の神社の社殿はその様式を確立していったと考えられますが、出雲大社の大社造には仏教伝播前の神道の発想が色濃く残されていると憶測できるとの説明でした。また、近年発見された鎌倉時代の宇豆柱等から、かつて出雲大社の本殿は高さが48メートルもある巨大なものだった可能性が高いことが推測されていますが、樹齢100年強くらいの比較的若い杉材を利用した柱であったことが判明した等々、出雲大社の謎に関係する非常に興味深い話を多くきくことができました。旧暦10月の神無月、日本の神々は出雲に集まると言われ、出雲では逆に神在月と言いますが、その神在月の忙しい時期を終えたばかりの出雲大社には本当に多くの参拝者が訪れていました。
その後は徒歩で古代出雲歴史博物館へ移動しました。諸説ある出雲大社のかつての本殿の復元模型や、出雲国風土記に基づく古代の出雲地方の社会の様子、さらにより古い時期の銅鐸や銅剣といった青銅器、たたら製鉄の技術など、島根の歴史の魅力を知ることができる非常にユニークな博物館でした。生徒はワークシートに取り組みながら1時間半程かけてじっくり学習していました。展示室の壁面いっぱいにずらりと並んだ青銅器の展示が印象深かったと話している生徒が多かったようです。
古代出雲歴史博物館の見学終了後は広島へ。ほぼ予定通り平和大通り沿いのホテルに到着。夕食は2班程度が一緒になって、広島名物のお好み焼きの夕食を食べに行きました。食後は、イルミネーションで飾られた平和大通りへ。この時期の広島市の風物詩なのかもしれませんが、中学2年生は毎年このストーリー性豊かなイルミネーションを満喫しています。
明日も沢山の行程が予定されています。しっかり睡眠をとって備えたいところです。