2018/10/25
10月23日(火)、天気は曇り、昨日よりやや涼しく過ごしやすい気候です。2日目の最初の見学地はトヨタグループが運営する、トヨタ産業技術記念館です。このこの産業記念会館はトヨタグループの共同事業として、豊自動織布の工場跡に設立されました。今は自動車で有名なトヨタですが、そのスタートは繊維業で、原点である豊田自動織機を創設したのが、明治の発明王として偉人伝でもおなじみの豊田佐吉でした。
この産業技術会館も、前半部分が繊維機械に後半部分が自動車に割かれています。駿台学園中学校がこの記念館を見学するねらいは、繊維機械があゆんだ道を知ることで、18世紀後半に英国に始まった産業革命が19世紀には世界に拡大、日本も日露戦争後には急速に繊維産業大国として台頭していった歴史を知ることにあります。生徒たちは、ジェニー紡績機やカートライトの力織機など高校の世界史ではお馴染みの繊維機械などの実物(一部複製)を実際に見学し、さらに明治~大正期の豊田製品繊維機械による機織りの実演なども見学しながら、最初は手作業、木製だったものがだんだんオートメーション化していく様子や、産業全体が軽工業から重工業へとその比重を移していく過程について、理解を深めました。
_自動車コーナーでは、世界のトヨタといえども、まずは外国車を分解することから研究を始め、シリンダーを製造することに大変な苦労をしたことなどが紹介されており、強く生徒の印象に残ったことと思います。全ての部品に凝らされた工夫があり、これまでどれほどの努力があったのだろうかと考えされられました。現代の私たちも見習いたい点です。もちろん今日の“世界の”トヨタが誇る独特の最新生産システムを紹介するコーナーも見応えがあり、さらに器用にヴァイオリンを弾くトヨタ製のロボットにも驚かされました。
11:30に名古屋を出発、バスの中で弁当の昼食をとりつつ次の見学地である法隆寺のある斑鳩に向かいました。
この後、本日3か所目の見学地である薬師寺に向かいました。中3修学旅行で薬師寺を見学するのはかなり久しぶりです。暫く訪れずにいた間に東塔は修復に入って、現在は全体が覆われて見えなくなっています。何十組もの修学旅行生で非常に混んでいました。最初に僧侶の方の法話があったのですが、これが関西のノリの漫談調の面白い話で、「面倒」「面白い」「真面目」といったコトバがなぜ「面」という字を含むのかといった仏僧のお話を、生徒たちは文字通り「面白」がって聞いていました。この後はもちろんご本尊である薬師三尊像を見学しました。文化史上では飛鳥時代とされる法隆寺と白鳳時代の薬師寺の仏像や建築の違いを、はたして生徒はどこまで理解したでしょうか
この日は比較的早めに18:00にはホテルに入りました。一時雨がぱらつきましたが、見学中に降ることはなく、ラッキーな1日でした。