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学校行事

中学1・2年生がルーベンス展とフェルメール展を鑑賞

2018/10/26

10月25日(木)、中学1、2年生が上野で二つの美術展を鑑賞しました。秋晴れの清々しい好天に恵まれ、「芸術の秋」そのままの校外学習となりました。

最初に鑑賞したのは国立西洋美術館で開催中の「ルーベンス展-バロックの誕生」です。今年度は5月にも同じく国立西洋美術館の「プラド美術館展」に行きましたが、その時の目玉はヴェラスケスでした。ルーベンスはヴェラスケスと同様、バロック美術を代表する画家であり、生徒にとってはバロック芸術を理解するよい機会になったと思います。「バロックの誕生」とあるとおり、今回の展覧会は、美術史の流れのなかのルーベンスに照明をあてていました。ベルギー出身のルーベンスはイタリアへの留学経験がありますが、イタリアで見たヘレネズム彫刻やミケランジェロの力強い人体表現、そしてカラヴァッジオの明暗法からの影響が、非常にわかりやすく説明されていました。

ルーベンスの画は大きいものが多く、見やすかったこともあったのか、絵を鑑賞しながら、生徒たちは熱心にワークシートに取り組んでいました。大胆かつ柔らかな筆致で表現されたそれらの絵は、バロックらしく奔放な構成で劇的に表現されており、生徒にも親しみやすいものだったかもしれません。

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ケヤキの色づく上野公園で昼食をすませた後は、今話題の上野の森美術館の「フェルメール展」を鑑賞しました。フェルメールと同時代のオランダ絵画をとりあげる美術展です。大変な人気ということで、時間制で事前に入場者数が限られているにもかかわらず、本校生徒が入場する13時の回は長蛇の列。まさに今日本で人気絶頂の感のあるフェルメールの、世界現存30数作品しかないうちの9点が同時に会するというこの展覧会の貴重さを改めて感じさせられました。

こちらはルーベンス展と違いワークシートを持ち込むことが認められませんでしたが、そのかわり音声ガイドが入場者全員に配られました。作品の変わり目ごとに解説が入るこのガイドのおかげで、貿易・通商で世界のヘゲモニー国家となっていた17世紀オランダにおける肖像画や風俗画、風景画、静物画が、まさに「市民の、市民による、市民のための絵画」であったことがよく理解できる企画となっていました。

フェルメールの作品は最後の部屋にまとめられていましたが、非常な混雑にもかかわらず、フェルメールにしか表現できない静謐な世界を感じることができました。フェルメールもまたバロックに分類される画家ですが、動的なルーベンスと好対照の静けさが印象的ですが、フェルメールの作品の明暗のコントラストはやはりバロック美術ならではのものであるようです。ただし、フェルメールはバロック的であることに安住せず、数世紀後の印象派を先取りするような光の扱い方も感じさせるその技法は、時代を超越した魅力を発しています。非常に混んでいたこともあり、生徒にとって難しい鑑賞であったかもしれませんが、今回の展覧会全体をとおし、絵画やその背景にある歴史の流れを理解したり、絵画に親しむきっかけとなってくれればと思います。

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