2018/12/02
11月29日(木)、広島は暖かい晴天の朝を迎えました。3日目午前中のテーマは「戦争と平和」です。1945年8月6日の8:15に広島には原子爆弾が投下されました。毎朝08:15に鳴るチャイムに間に合うべく07:50に出発、原爆ドームの真裏でバスを降りました。何度もテレビや写真では見てきたドームですが、実際にその前に立って、生徒達にも様ざまな感慨があったうようです。米軍機が投下にあたって標的としたともいわれるT字型の相生橋を渡り終わり平和記念公園に入るころ、ちょうどのチャイムが鳴りました。この公園は、戦前は焦点や事務所、住居などが密集していたそうですが、一瞬にして焼け野原となり、戦後こうして平和をねがう公園となりました。公園内には、慰霊碑や記念碑が多数あります。
被爆しその後遺症で12歳で亡くなった佐々木禎子さんの級友たちが建立した原爆の子の像の前で、今年も千羽鶴も献納しました。平和であるということはどういうことかを少しずつ考えながら、この公園の中心ともいえる慰霊碑の前まで移動。8月6日の式典は、ここで行われます。
見事に色づいた大銀杏の前を通って平和記念資料館へ。資料館は現在耐震化もかねて大改装中で、展示スペースこそ限られていましたが、展示されている資料が語る核兵器の凄惨さに生徒達はすっかり言葉を失っていました。しかし戦争の恐怖を知るだけでは、おそらく十分ではありません。戦争の原因とは何なのか、今の時代に何をすればよいの(あるいはしてはいけないのか)を生徒が考えてていくことが重要です。今日の見学はそのための出発点です。
10:00に記念館を出発し、次の見学地は安芸の宮島です。午後のテーマは「豊かな瀬戸内海」でしょうか。フェリーに乗り10:45に宮島の港に降り立ちました。地元のガイドさんの説明を聞きながら厳島神社を中心に自然豊かな宮島を歩きました。瀬戸内海の海上交易を支配した平家の援助によって大いに隆盛した厳島神社には、その後も多くの人が参詣しましたが、そのシンボルは海に立つ朱色の鳥居です。今年は満潮まであと3時間ということで、潮のタイミングが合わず、大鳥居に近づくことはできませんでしたが、遠くから眺める大鳥居もまた雰囲気があります。そのまま宮島で昼食を取り、門前町で自由時間をとりました。
14:00にチャーター船に乗り宮島を出発、大三島への船旅です。陸路だとかなり大変な道のりですが、海路ではかなりの時間短縮となります。現在の私たちの暮らしは、車や鉄道を使う陸上交通と、空を飛ぶ飛行機が中心になってはいますが、実は海上交通も非常に便利で重要であることを生徒は理解できたと思います。
船に揺られること約2時間、愛媛県の大三島の吉海港に着きました。先回りしていたバスと再会して亀老山展望公園へ。16:45に展望台に着くと鮮やかで美しい夕日がまさに沈まんとするところでした。一刻一刻表情を変える太陽、空、海そして来島海峡大橋橋に、しばし生徒も見とれていました。
バスに戻り夕食会場へ。今日の夕食は楽しみにしている生徒が多かった海鮮バーベキューです。サザエや色鮮やかなヒオウギガイをはじめとする瀬戸内の海の幸を七輪で焼き、おかわり無制限の鯛飯で満腹となるまでの1時間を堪能しました。交通・流通だけでなく、食の点でも海が貴重であることが生徒にはよく分かったと思います。
多彩な日程を終え、ほぼ予定通り今治国際ホテルに到着。盛りだくさんの校外学習も残り1日です。