2019/11/30
11月28日(木)、秋季校外学習3日目は広島の平和記念公園の見学から始まりました。まずは平和記念公園から元安川を挟んで原爆ドームをのぞみ、原爆がどのように投下、炸裂したのかについて説明を受けました。その後、毎朝原爆投下時刻の8:15に鳴る平和の時計塔のチャイムを聞き、ガイドさんの話に耳を傾けながら平和記念公園を見学をしました。
時折小雨もパラつく寒い曇天の下、平和の鐘、原爆供養塔、原爆の子の像とまわり、原爆死没者慰霊碑まで見学を続けるあいだ、生徒は神妙な面持ちでガイドさんの話を聞いていました。その後、いよいよ平和記念資料館へ。平和記念資料館は、常設展示の更新が長期間に渡って少しずつ進められており、今年の4月で完了、リニューアルオープンされました。駿台学園の秋季校外学習では毎年欠かさずこの資料館を訪れていますが、展示の全面的な刷新が完了してからは、初めての訪問となります。
常設展はデジタル技術を利用して原爆投下の前後の広島を再現した導入展示から始まり、本館の「被爆の実相」、東館の「核兵器の危険性」「広島の歩み」と続きます。本館の「被害の実相」は、以前に増しても写真とそれにまつわるエピソードに力を入れているようでした。原爆の凄惨な被害状況だけでなく、被害に遭われた一人一人のエピソードに寄り添うような展示が多くなったため、実際にその場にいた人々がどのように悲惨で痛ましい状況におかれたのか、被爆直後の苦しみと、それがその後長年にわかりどのように続いていったのかが、生徒達が実感できるような展示になっていました。生徒はやはり相当なショックをうけたていたようで、言葉もなく見学していました。本日の見学を経て、原爆は断じて単なる過去の惨禍として扱ってよいものなどではなく、未来に向けて私たち人類が何をしていけばよいのか、生徒が考えるきっかけとなったことと思います。
東館の「核兵器の危険性」では、原爆が開発され、広島に落とされた経緯、その被害状況、その後の核廃絶への取り組みがわかりやすく展示されていました。「広島の歩み」では、いかに広島が軍都になっていったか、そして、戦後どのように復興していったかがまとめられています。生徒にとってみると、まず前半で原爆の悲惨さを実感し、その後学習するという流れになっており、以前よりも感じとること、学習することにそれぞれ集中できるようになったのではないかと思います。後半部分の東館では、生徒が熱心にワークシートを解いている姿が印象的でした。
その後、バスは宮島口に向かい、フェリーに乗り換えました。今年は厳島神社の海に浮かぶ大鳥居が大改修工事に入っており、残念ながら全体が白い御簾に覆われて本来の姿をみることはできませんでした。とはいえ、昼頃になると日が射し始め、満潮直後ということもあり、境内は非常に美しい光景となっていました。生徒も写真を撮り、朱塗りの回廊が瀬戸内の海に映える姿や、紅葉に染まった宮島の姿を楽しみながら拝殿、参拝をしていました。
昼食後、本来であれば宮島からチャーター船で瀬戸内海を横切り大三島まで行くところなのですが、今日は波が高く、残念ながらチャーター船は欠航となってしまいました。しかし、帰りのフェリーでは陽光を受けて煌めく瀬戸内海を渡り、さらにバスでしまなみ海道の全ての橋を渡り、左右に紅葉の色づく島々を見ることができました。
バスで移動したこともあって、予定より早く大島の亀老山展望台につきました。風が強くて寒くはありましたが、落日に染まる瀬戸内海と来島海峡大橋の姿はまさに絶景で、生徒達はさかんに記念撮影をしていました。
その後、生徒達も楽しみにしていた海鮮バーベキューの夕食へ。サザエやエビといった瀬戸内海の海の幸を七輪で焼き、おかわり自由の鯛めしで空腹を満たしました。瀬戸内がいかに海の幸に恵まれているかを実感できたと思います。
全体としてスムーズに進み、予定より早く今治国際ホテルに到着。あと残り1日、盛りだくさんの秋季校外学習を最後までしっかりと見学してほしいと思います。