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第640回<駿台天文講座>および第4回<駿台ジュニア天文教室>のお知らせ

2019/07/16

●第4回<駿台ジュニア天文教室>のお知らせ

7月20日(土)15:30から、小・中学生を対象とした「駿台ジュニア天文教室」を開催します(保護者方の参加も可能です)。この天文教室は天文や宇宙を中心とした幅広いお話しと実験で、小中学生に楽しみながら科学に興味を持ってもらうことを目指しています。

今月のテーマは「地球の自転を調べる」で、お話は中嶋浩一先生(一橋大学名誉教授)です。地球の自転ついわかりやすく解説します。また、自転の仕組みについての実験も行う予定です。お友達同士お誘いあわせのうえ、多数の方にご参加頂ければと思います(予約等は不要です)。

また、同日17:00から第640回<駿台天文講座>も開催します。こちらの講座では、亀谷 收先生(国立天文台助教)に、「水沢緯度観測所の歴史と文化遺産」について講演して頂きます。

 

●第640回<駿台天文講座>のお知らせ

7月20日(土)17:00から、第640回<駿台天文講座>を開催します。今月の講師は亀谷收先生(国立天文台助教)で、テーマは「水沢緯度観測所の歴史と文化遺産」です。

120年前の水沢緯度観測所は、地球の地面に対して北極と南極の位置が約1.2か月周期で10m程度の動きを行う極運動を研究対象としました。これは、当時の天文学及び測地学としては、最先端の研究テーマでした。この極運動を追うために、世界の緯度39度8分の線上に6か所の観測局が設置されました。世界中の各局で天頂付近を通過する星の位置の変化を眼視天頂儀を使って精密に測定することで、各局の緯度の変化量を求め、それらの変化量を使って北極の位置を求め、そのデータの詳しい解析が行われました。その結果、1902年に木村榮博士が「Z項」という、当時としては原因不明の極運動のゆらぎを発見しました。これこそが、日本の近代天文学が、初めて世界に認められた研究成果でした。

現在では、観測手法も光学から電波望遠鏡も組み合わせるVLBI(超長基線電波干渉法)を使った電波観測へ移行しています。同時に対象も、極運動から、専用VLBI装置であるVERA(べラ)を使った天の川銀河の精密地図作りや銀河中心のブラックホール現象の研究へとシフトしています。今年の4月に初めてブラックホールの姿が発表されましたが、これは前身の緯度観測所時代から面々と120年に渡って続けられている、国際共同研究の長い歴史の大きな成果にほかなりません。

現在の国立天文台水沢VLBI観測所内には、最先端の電波観測装置やスーパーコンピューターと共に、120年もの歴史を持つ緯度観測所時代の建物や観測装置なども存在します。これらの古い建物のうち、4点は2017年10月に国の登録有形文化財となりました。今回は、文化遺産ともなった水沢観測所の歴史や、この由緒ある施設が今なお国際共同研究と深くつながっている点について講演して頂きます。ふるってご参加下さい。

なお、晴天の場合は、屋上の口径20㎝屈折望遠鏡で天体観望を行い(日没が遅い時期ですので、暫くお待ち頂くことになりますので、あらかじめご了解下さい)。

 

 

 

 ●<第4回駿台ジュニア天文教室>

  日 時:2019年7月20日(土)15:30~16:30

  場 所:駿台学園視聴覚室

  講 師:中嶋 浩一先生(一橋大学名誉教授)

  題 目:「地球の自転を調べる」

 

 ●<第640回駿台天文講座>

  日 時:2019年7月20日(土)17:00~18:00

  場 所:駿台学園視聴覚室

  講 師:亀谷 收先生(国立天文台助教)

  題 目:「水澤緯度観測所の歴史と文化遺産」

 

 ●入場料:無 料

(予約は必要ありませんので、直接駿台学園へお越しください。なお、自動車のご来校は、ご遠慮ください)

  所在地:東京都北区王子6-1-10 駿台学園(電話03-3913-5735)

  最寄駅:「JR・東京メトロ・都電」王子駅下車 徒歩10分

 

 

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