2022/02/09
2月19日(土)17:00から<駿台天文講座>をオンラインと対面形式で開催します。今月のテーマは、「VERAが作った銀河系地図」で、講師は本間希樹先生(国立天文台教授)です。
夏休み、空の明るい都会を離れ山奥のキャンプ場に行くと、漆黒の夜空にたくさんの星と、天空を横切る大きな天の川を見ることができます。この「天の川」は一体何なのでしょうか、また現代天文学ではどのようなことがわかっているのでしょうか? 今回は、天の川研究の第一線で活躍しておられる国立天文台の本間希樹先生に、その特色ある研究方法と最新の成果についてお話を伺います。
本間先生が勧める研究の名称は「VERA プロジェクト」で、1月の講座でも登場した岩手県奥州市の「国立天文台水沢 VLBI 観測所」が拠点です。「VERA」とは「VLBI Exploration of Radio Astrometry」を略したものですが、ラテン語では「VERA」は「真実」を意味します。
観測所のホームページは、「VERA は、銀河系の3次元立体地図を作るプロジェクトです。VLBI という電波干渉計の手法を用いて、銀河系内の電波天体の距離と運動をこれまでにない高い精度で計測し、銀河系の真の姿を明らかにします」としています。具体的に言えば、「VLBI」は、電波望遠鏡を用いて天体の構造や位置を高精度で観測する手法です。天体位置を精密に測定できれば、「地球公転軌道による視差」を用いて天体までの距離を精密に測ることができます。
これまでの可視光による観測では300 光年が限界だった距離測定が、VERA ではその 100 倍の 3 万光年になります。これにより、直径約 10 万光年と言われる「天の川銀河系」のかなりの部分の天体の 3 次元位置を測定することが可能で、その結果これまでにない高い精度で銀河系内の天体分布、すなわち銀河系の地図を作ることが可能となりました。天の川銀河の構造や、今後の研究の展望について興味がおありの方は、ぜひふるってご参加ください。
なお、今後の新型コロナウィルスの感染状況によっては、対面での講演を取りやめオンラインのみでの開講となることがありますので、あらかじめご了承ください。
◎<第671回駿台天文講座>オンライン + 対面講演
●日 時:2022年2月19日(土)17:00~18:00 ●講 師:本間 希樹 先生(国立天文台教授) ●題 目:「VERAが作った銀河系地図」
【講演のお申込み方法】 ◆型 式:オンライン(使用アプリ:Zoom)または対面(駿台学園視聴覚室にて実施) ◆定 員:50名+ 対面10名程度(受付順、定員になり次第、申し込みを締め切ります) ◆締 切:2月16日(水) ◆申し込み方法:下記のURL上のフォームに必要事項ご記入の上送信し、お申し込みください。 https://forms.gle/VAKZBC57WYWhPcQ4A
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、メール・電話で担当までお願いします。 03-3913-5735 担当 布施・吉田(篠原) |