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●第13回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
第13回の講座を、6月15日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回は近世史で、テーマは「天下人と列島の経済」、講師は牧原成征先生(東京大学教授)です。先月の講座と近いテーマであり、そのすぐ後の時代が対象となります。
織豊政権や開府から暫くの徳川政権は、しきりに戦争等をしかける割には、ひどくカネに困ったという話をあまり聞きません。幕府の窮乏は、通常日本史の授業では家光時代の日光造営や家綱時代の江戸の大火の復興あたりからと教わる印象です。天下人の財政や同時期の日本経済については、結構ナゾの部分があり興味がつきません。今回はこのあたりに光があたる講座になるかと思いますので、ふるってご参加ください。また、お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。今回も、会場参加者には抽選で講師の著書を進呈いたします。
◎講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
昨年度から高校で「日本史探究」が始まりました。そこでは、日本をとりまく対外的な環境や交流をもとに、前の時代との比較を通して「時代の転換」について考察し「時代を通観する問い」を表現することが高校生に求められています。高校生はもちろん、教員や研究者にとってもこれは決して容易な課題ではありません。私自身は近年の論稿でたまたま自分の見解をまとめたことがありますので、今回はそれを紹介させていただき(『日本近世史を見通す1列島の平和と統合』吉川弘文館、2023年)、「中世から近世への転換」のプロセスを考え、「時代を通観する問い」の一例を示してみたいと思います。
旧来の歴史学・日本史では、国や地域の伝統や蓄積が重んじられていました。土地所有を基盤とする領主制・封建制の発達、その下での農民の自立・成長という視角から、それが最高度に発達したのが近世の幕藩制だという理解がとられてきました。一方、ここ30年ほど、グローバル化と軌を一にして、アジアにおける国際的な動きのなかで中世・近世日本を考える研究が進んできました。それは列島の「外」との交流を豊かに明らかにしてきましたが、旧来の日本史像の「中身」を塗り替えたわけではありません。列島をめぐる交易や交流と、列島(内部)の権力や経済とはどのように関わっていたのでしょうか。織田信長から徳川家光までの天下人の構想や政策に即して、それを考えてみたいと思います。
- 牧原 成征 先生略歴
1972年 愛知県生まれ。
1994年東京大学文学部第2類(史学)国史学専修課程卒業、99年同大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、2004年宇都宮大学教育学部助教授、07年同准教授。
11年東京大学人文社会系研究科准教授、23年同教授。 博士(文学 2003年)
- 主な著書等
<単著>
『近世の土地制度と在地社会』東京大学出版会、2004年
『日本近世の秩序形成 村落・都市・身分』東京大学出版会 2022年
<共著ほか>
『近世の権力と商人 (史学会シンポジウム叢書』 山川出版社 2015年
『十七世紀日本の秩序形成』 吉川弘文館 2018年
『日本近世史を見通す 1 列島の平和と統合』 吉川弘文館 2023年
『日本近世史を見通す 5 身分社会の生き方』 吉川弘文館 2023年
『日本史の現在4 近世』 山川出版社 2024年6月発刊予定
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。 ◆形 式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:6月13日(木)23:59 ◆参加費:無料 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
・視聴覚室は常時扉や窓を開放するなど、換気に努めます。 ・感染防止のために、上履き(スリッパ)は用意いたしません。靴底をマットで軽く拭き、土足のまま入校してください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、メール・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬 |