お知らせ

その他

第3回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ

第3回の講座は、7月15日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今月のテーマは、「近世の身分と社会を考える」で講師は吉田伸之先生(東京大学名誉教授)です。お誘い合わせの上、ご参加ください。

なお今月も、会場まで足をお運び頂き対面参加された方の中から抽選で、講師のご著書を進呈します。

◎講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)

日本近世は、17世紀末以降、ほぼ6万3千の村、1万の町を社会の基礎に存立していた。村や町で働き暮らす人々の多くは、百姓・町人として共同体やさまざまな職業に応じて仲間を構成した。これらの自律的な営みに支えられ、幕府一大名旗本一朝廷・有力寺社などの支配層は初めて存在することができた。

この講座では、こうした近世における身分社会の実態を、幕末維新期の巨大都市一江戸、特に品川から芝にかけての地帯を素材として具体的に見てみたい。そこでは、江戸と上方を陸路で結ぶ東海道が江戸湾沿いを走り、海では海岸沿いの澪筋を多くの舟が行き交った。この海辺一帯は、高輪海岸という江戸屈指の名所でもあり、多くの茶屋・食べ物屋で賑わった。また、高輪の北端には雑魚場と呼ばれる魚市場があり、江戸前や近郊の漁業と深く結びつく独特な民衆世界を形成した。また高輪に隣接する品川宿村は、東海道最初の宿場であるが、中規模城下町にも匹敵する人口を抱える都市社会でもあった。ここには人足や駕籠舁など交通労働者が集まり、また旅籠屋の多くは江戸南方の「疑似遊郭」社会を構成する遊女屋でもあった。また、これらと裏腹である悪党などのアウトロー集団が分厚く分布した。

こうした多様な有り様を含めて身分社会を捉え直し、これがどのような契機で近代の市民社会へと移行していったのかを、明治初年の鉄道建設問題に絡めて少し検討してみたい。

◎吉田 先生 略歴

  • 1947年東京生まれ。
  • 1972年東京大学文学部国史学科卒、1975年同大学院人文科学研究科修士課程(国史学専攻)修了、1975年同文学部助手。1979年千葉大学教育学部講師、91年同助教授、1985年東京大学文学部助教授、1993年同教授、2012年退職、名誉教授。2012年飯田市歴史研究所所長。
  • 専門は日本近世史 博士(東京大学)

 

◎主な著書

『近世都市社会の身分構造』(東京大学出版会 1998)

『巨大城下町江戸の分節構造』(山川出版社 2000)

『成熟する江戸』(講談社 2002)

『21世紀の「江戸」』(山川リブレット 2004)

『伝統都市・江戸』(東京大学出版会 2012)

『都市――江戸に生きる シリーズ日本近世史4』(岩波新書 2015)

『地域史の方法と実践』(校倉書房 2015)

◎<第3回駿台歴史講座> 参加方法

  • 主催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校
  • 後援:森上教育研究所
  • 日時:2023年7月15日(土)15:00~16:30
  • 講師:吉田 伸之 先生(東京大学名誉教授)
  • 題目:「近世の身分と社会を考える」

 

【講演のお申込み方法】

事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。

  • 形式:対面(駿台学園視聴覚室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom)

Zoomのアプリは、無償でダウンロードが可能です。利用法は、至って簡単です。
申し込みが完了した方には、7月13日(木)以降、順次ご登録いただいたメールアドレスにズーム参加用のID、パスワード等をお送りします。
当日は、講義開始15分前までにZoomからミーティングに参加、またはご来校ください。Zoomに参加する際は、申し込み時と同じ名前をお使いください。
新型コロナウイルス感染防止のため、本校では下記の対応を行います。
視聴覚室は常時扉や窓を開放するなど、換気に努めます。
感染防止のために、上履き(スリッパ)は用意いたしません。靴底をマットで軽く拭き、土足のまま入校してください。
【お問い合わせ先】

◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、メール・電話で担当までお願いします。

電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp
担当 平瀬