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第6回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
第6回講座を、11月25日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今月は7月に続いて近世史をとりあげますが、テーマは「描かれた行列から近世社会を眺める」、講師は久留島浩先生(国立歴史民俗博物館名誉教授)です。
大名行列や外国使節の行列は、中学・高等学校の教科書にも記載があり、時に図版も紹介されていますが、こういった文献以外の絵画史料を扱うことも、昨今の歴史総合や探究系科目の中では重視されています。お誘い合わせの上、ご参加ください。
◎講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
行列そのものは「古今東西」にわたって存在しており、日本の近世だけを行列の時代ということには留保が必要である。しかし、とりあえず日本に限っていうと、参勤交代の行列が、江戸城を結集核として、列島上を定期的に往来しただけでなく、朝鮮通信使や琉球国王の使節、オランダ商館長などの外国使節の行列も江戸をめざした。規模は小さくとも幕府の役人が江戸から地方へ出張するときには、供回りを揃えた行列をくんで行進した。いわば列島上をこうした大小の規模の行列が往来していたことになる。もちろん、戦国時代には武装した集団が行進し、信長は「馬揃い」という武士たちの力を誇示するデモンストレーションを行い、秀吉は聚楽第への天皇の行列を仕立てるなど、権力者は折りに触れて行列を見せてきた。また、古代以来高貴な者や祭礼の特別な行列は沿道で多くの貴賤の人々の目に触れ、画像にも描かれている。しかし、近世に比べるとその頻度はきわめて少ないだけでなく、ほぼ都に限られていたと言ってもよい。その意味では、全国的な広がりをもって行列が往来したのは、近世という時代の特色であり、そのことはきわめて多くの「行列」を描いた画像資料が残されていることからも明らかである。
ここでは、大きく「武士の行列」「異国の使節の行列」「祭礼行列」「その他の行列(近代へつながるものも含め)」に分けて、「描かれた行列」から近世社会を考えてみたい。
久留島 浩 先生略歴
1954年広島生まれ。
1977年 東京大学文学部卒業、1983年 同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学、同文学部助手、1985年 千葉大学教育学部講師、1987年 同助教授、1998年 国立歴史民俗博物館歴史研究部助教授、2003年 同教授、2010年 同副館長、2014年 同館長、2020年退職、同館名誉教授。博士(文学・東京大学)
主な著書等
『近世幕領の行政と組合村』(東京大学出版会 2002年)
『近世の社会集団 由緒と言説』(共編 山川出版社 1995年)
『近世の社会的権力 権威とヘゲモニー』(共編 山川出版社 1996年)
『身分を問い直す』(共編 吉川弘文館 2000年)
『アジアの国民国家構想 近代への投企と葛藤』(共編 青木書店 2008年)
『国民国家の比較史』(共編 有志舎 2010年)
『薩摩・朝鮮陶工村の四百年』(共編 岩波書店 2014年)
『描かれた行列 武士・異国・祭礼』(編 東京大学出版会 2015年)
◎<第6回駿台歴史講座> 参加方法
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校
□後 援:森上教育研究所
●日 時:2023年11月25日(土)15:00~16:30
●講 師:久留島 浩 先生(国立歴史民俗博物館名誉教授)
●題 目:「描かれた行列から近世社会を眺める」
【講演のお申込み方法】
事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。
◆形 式:対面(駿台学園視聴覚室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom)
◆定 員:対面30名+オンライン
◆締 切:11月23日(木・祝)23:59
◆申し込み方法:下のURLもしくは、QRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
Zoomのアプリは、無償でダウンロードが可能です。利用法は、至って簡単です。
申し込みが完了した方には、11月24日(金)以降、順次ご登録いただいたメールアドレスにズーム参加用のID、パスワード等をお送りします。
当日は、講義開始15分前までにZoomからミーティングに参加、またはご来校ください。Zoomに参加する際は、申し込み時と同じ名前をお使いください。
新型コロナウイルス感染防止のため、本校では下記の対応を行います。
視聴覚室は常時扉や窓を開放するなど、換気に努めます。
感染防止のために、上履き(スリッパ)は用意いたしません。靴底をマットで軽く拭き、土足のまま入校してください。
【お問い合わせ先】
◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、メール・電話で担当までお願いします。
電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬