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第7回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
本年度の第7回講座を、12月16日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今月は9月に続いて近代史をとりあげますが、テーマは「明治天皇と憲法体制」、講師は西川誠先生(川村学園女子大学学長)です。
明治以降戦前期の天皇について、特にその憲法や政治との関わりについては知っているようで知らない部分も多々あるかもしれません。明治期の政治史を中心に研究する西川先生は、近年筑摩書房から出ているいくつかの書籍の中で、この分野の最新研究の紹介をされており、中・高の地歴科の先生がたの中には、大いに参照されている方も少なくないと思います。今回は、最新の研究に基づく明治天皇像と明治期の日本の立憲君主制の実態についてお話しいただきます。お誘い合わせの上、ご参加ください。
なお、会場まで足をお運び頂き対面参加された方の中から抽選で、講師のご著書を進呈します。
◎講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
ドナルド・キーン氏が『明治天皇』を書いて20年がたちました。明治天皇の人物像は読書好きには知られるようになりました。では高等学校や中学校の歴史ではどのように語られているでしょうか。そもそも教科書では人物はあまり触れられませんし、明治憲法下の国家の主権者という記述が中心となっています。公民分野では日本国憲法との比較で、やはり主権者であることが強調されていると思います。しかし近代の天皇は主権者であるからといって独裁的な権力行使者であったわけではありません。歴史学でも、特に政治史の中では、天皇の行動を検討して近代国家機構の中での天皇を考察しています。こうした研究は中学校・高等学校の教科書にも反映されているように私には思えます。今回の講義では、明治天皇が政治機構の中でどのような存在であったと捉えられているか、天皇の成長とともに話していきたいと考えています。
幕末政治史の中での公議との関係、親政運動と侍捕、憲法制定と憲法の中の天皇の自覚、建国の父祖の一人として、という内容を説明したいと考えています。
・ 西川 誠 先生略歴
1962年 京都府生まれ。
1987年東京大学文学部国史学科卒業、1992年 同大学院人文科学研究科博士課程中途退学。
宮内庁書陵部を経て、1998年川村学園女子大学文学部史学科専任講師、助教授、教授、史学科長、文学部長を経て、2016年副学長。2022年学長。専門は日本近代政治史。
・ 主な著書等
<単著>
『明治天皇の大日本帝国』(講談社、2011年、のち講談社学術文庫、2018年)
<共著>
『日本史史話 近現代』(佐々木隆他編、山川出版社、1994年)
『日本立憲政治の形成と変質』(共編、吉川弘文館、2005年)
『日本政治史の新地平』(坂本一登他編、吉田書店、2013年)
『明治史講義【テーマ篇】』(小林和幸編、ちくま新書、2018年)
『明治史講義【人物篇】』(筒井清忠編、ちくま新書、2018年)
『はじめての明治史』(山口輝臣編、ちくまプリマー新書、2018年)
『皇位継承』(高橋典幸編、山川出版社、2019年)
◎<第7回駿台歴史講座> 参加方法
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。
◆形 式:対面(駿台学園視聴覚室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:12月14日(木)23:59 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
・視聴覚室は常時扉や窓を開放するなど、換気に努めます。 ・感染防止のために、上履き(スリッパ)は用意いたしません。靴底をマットで軽く拭き、土足のまま入校してください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、メール・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬 |