お知らせ

学校行事

高校2年生修学旅行 第1期 リポート 3日目

3日目 島原→長崎市内

修学旅行3日目、曇天の中、まずは島原半島の最南端にある口之津町でイルカウォッチングを体験しました。有明海の入り口に位置する早崎海峡は、バンドウイルカの生息場所として知られていて、約500頭が群れを成しています。船からはたくさんのイルカたちを見ることができました。あいにくと航行中に小雨が降り始めましたが、生徒は船に近寄ってくるイルカに大興奮していました。広大な有明海を眺めながら、航海を楽しみましたが、有明海の自然の豊かさを実感したことと思います。この環境の保全が、未来を生きる生徒たちの課題です。

 

次に向かったのは雲仙地獄です。地面から吹き出す蒸気で一寸先が見えない中、地獄温泉の中を歩きました。雲仙地獄はかつて隠れキリシタンの殉教の舞台にもなりました。そのため、十字架を象った殉教碑が立ち、さまざまな殉教が言い伝えられてきました。温泉特有の硫黄の化合物の匂いに驚きながらも、生徒たちはバスガイドさんの解説をよく聞き、見学していました。日本の火山国の一面を実感するとともに、明日以降の見学のテーマとなるキリシタンと禁教政策についての知見を増やすことができました。

 

島原半島のいわば付け根に部分にある愛野町で長崎のご当地グルメともいえる「トルコライス」(揚げ物やスパゲティナポリタン、ピラフなどが一皿に盛られた、お子様ランチに似た洋食で、名前の由来は不明だがトルコとはおそらく無関係)を食べた後は長崎市の平和公園へ向かいました。

8月6日の広島に続き、1945年8月9日長崎の上空で一発の原子爆弾が炸裂しました。これにより、長崎の街のほとんどが破壊されて焼け野原となり、多くの人命が奪われました。同じ悲劇を繰り返してはならないとつくられた平和公園には、北村西望(1884~1987)作の平和祈念像があります。長崎出身の北村西望は長く東京都北区に住んだため、北区名誉区民にもなっていますが、その縁から王子駅近くの北とぴあ前には、長崎の記念像を縮小した像が置かれています。それを知る生徒には長崎での再会に、驚いたかもしれません。長崎の記念像は遙かに大きく、実際に目の当たりにして、生徒はその大きさと厳かさに圧倒された様子でした。

原爆資料館では、被爆資料や被爆の惨状を示す写真、映像を見ました。生徒たちは資料を通して原爆の悲惨さを痛感し、二度と同じことがあってはならないと強く思ったようです。核廃絶に向けた資料展示も行われており、社会があるいは世界が、核兵器とどのように向き合うべきかを考えるきっかけになったと思います。

最後に稲佐山でスロープカーに乗り、長崎の夜景を見ました。幸い天気が回復し、展望台からは有明海に沈む夕日と長崎市の夜景を見渡すことができました。「三大夜景」とか「百万ドルの夜景」としばしば言われるのも頷ける眺めを、生徒たちは思い思いに写真に撮ったり、望遠鏡を覗いたりしながら、楽しい時間を過ごしていました。