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高校2年生修学旅行 第1期 リポート 6日目

6日目 福岡→門司→下関→福岡→太宰府→東京

長かった修学旅行もいよいよ最終日。ホテルを出てまず向かったのは、関門トンネル人道です。

関門トンネルは九州(門司)と本州(下関)をつなぐ、海底下60メートル付近にある海底トンネルです。このトンネルには車道と人道があって、今回は門司口から下関口への780メートルを、バスガイドの誘導のもと、自分の足で歩くことで「海峡」を実感しようという試みです。途中、福岡県と山口県の県境で写真を撮る生徒もいました。関門トンネルを渡りきりエレベーターで下関口に上がった生徒たちは、潮の流れの早い関門海峡を見て、穏やかな有明海との違いに驚いている様子でした。

復路は、バスで全長1000メートル強の関門橋を渡り、車窓から武蔵と小次郎の決闘の場と言われる巌流島や、明治の面影残る門司のレトロな街並みを眺めながら福岡県に戻り、つぎに向かったのは福岡市博物館です。

福岡市博物館では、アジア諸地域との交流から生まれた特色のある福岡の歴史と、その歴史が育んだ人びとの暮らしが紹介されています。目玉の展示物は国宝に指定されているあの金印、「漢委奴国王」印です。中国の史書『後漢書東夷伝』には、西暦57年、「倭の奴国」の使いに、後漢の光武帝が「印」と「綬」を授けたとあります。博多湾の志賀島で出土した「漢委奴国王」と彫られた金印がこの時の印と考えられることから、奴国も福岡近辺に存在したものと考えられています。教科書にもよく掲載されており、生徒たちとしても「これがあの金印!」という反応で、実物に見入っていました。前日に見た邪馬台国候補の吉野ヶ里遺跡ともども、日本の古代に思いをはせる生徒も多かったことと思います。

また、この博物館には江戸時代に福岡藩を統治していた黒田家の資料も多く展示されていいて、中でも生徒の関心を集めたのは日本三大名槍の一つである「日本号」です。穂先には倶利伽羅龍、柄には螺鈿が施され、見るものを惹きつけます。生徒たちは学芸員に積極的に質問をし、民謡「黒田節」のもととなった「日本号」をめぐる逸話を興味深く聞いていました。

最後に向かったのは太宰府天満宮です。太宰府天満宮は、菅原道真の墓所の上に社殿を造営して、その神霊を奉祀する神社で、学問の神、誠心の神として世の崇敬を集めています。残念ながら本殿は工事中で見ることができませんでしたが、仮本殿で参拝をすることができました。昼食後の自由行動では、1年後に迫った入試に向けてなのでしょうか、熱心に何かを祈願する生徒もいれば、おみくじを引く生徒もいました。本殿前の過去橋・現在橋・未来橋では、それぞれ振り向いてはいけない・立ち止まってはいけない・つまづいてはいけないという言い伝えがあり、それを聞いて恐る恐る渡る生徒の姿が印象的でした。

参拝が終わった後は福岡空港へ向かい、飛行機に乗って帰京しました。この6日間、大きなトラブルや体調不良者もなく無事に修学旅行を終えることができました。修学旅行での学びを今後に活かしてほしいと思います。