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●第12回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
第12回の講座を、5月18日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回は中世史で、テーマは「戦国大名の経済事情」、講師は山田邦明先生(愛知大学教授・文学部長)です。
「戦国大名」は昔から小中学生には人気であり、織田信長や武田信玄、上杉謙信などはまさにスターですが、かつての大河ドラマや映画にかわり近年ではこの時代を扱ったゲームがきっかっけで興味を持つというケースも多いようです。一方で、歴史学の戦国時代研究となると、戦国武将というスターの活躍ばかりが対象とはならないので、生徒には馴染みにくいということもあるようです。今回は、その戦国大名の「懐事情」という具体的・現実的な面がテーマですので、生徒の関心がある戦国時代と学術的研究の橋渡しとなる内容も出てきそうです。ふるってご参加ください。また、お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。会場参加者には抽選で講師の著書を進呈いたします。
◎講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
室町幕府が衰えをみせた時代、16世紀の前半の頃、日本列島の各地に「戦国大名」が台頭しました。北条・今川・武田・長尾(上杉)・毛利・大友・島津といった面々です。戦国大名は守護大名と違い京都に住むことはなく、自らの拠点にいて領国支配を進めました。武田信玄や上杉謙信のような英雄もおり、多くの軍勢を率いて戦ったりしているので、「戦国大名はビッグで豊か」というイメージがありますが、当時の史料を読んでみると、大名の家計事情は余裕のあるものではなく、けっこう苦労していたように思えます。たとえば今川義元は、駿河・遠江・三河の三か国を支配するトップクラスの大名でしたが、領国に出した法令の中で、「幼い子供たちをなんとなく出仕させ、大名から給恩をもらおうとする者がいるが、そういうことは禁止する」とくぎをさしています。広大な領国があるとはいえ、そのほとんどは家臣たちの所領で、大名自身の所領(直轄領)はそう多くなく、気に入った若者にポンポン給恩を与える余裕などなかったようなのです。こういった史料を読み解きながら、戦国大名の家計事情(経済事情)について、具体的にみていきたいと思います。
- 山田 邦明 先生略歴
1957年 新潟県生まれ。
1981年東京大学文学部国史学科卒、84年同大学院人文科学研究科博士課程中退。
同大史料編纂所助手、助教授、教授を経て、2005年愛知大学教授。20年同文学部長。
博士(1997年 東京大学)。
- 主な著書等
<単著>
『鎌倉府と関東 中世の政治秩序と在地社会』校倉書房、1995年
『戦国のコミュニケーション 情報と通信』吉川弘文館、2002年。新装版2020年
『戦国の活力』小学館〈全集日本の歴史 第8巻〉、2008年
『室町の平和』吉川弘文館〈日本中世の歴史 5〉、2009年
『日本史のなかの戦国時代』山川出版社〈日本史リブレット〉、2013年
『鎌倉府と地域社会』同成社〈同成社中世史選書〉、2014年。
『戦国時代の東三河 牧野氏と戸田氏』あるむ〈愛知大学綜合郷土研究所ブックレット〉2014年
『享徳の乱と太田道灌』吉川弘文館〈敗者の日本史 8〉、2014年
『上杉謙信』吉川弘文館〈人物叢書〉、2020年
『中世東海の大名・国衆と地域社会』 戎光祥出版 2022年
<共著ほか>
『日本軍事史』吉川弘文館、2006年
『関東戦国全史 関東から始まった戦国150年戦争』洋泉社歴史新書、2018年
『新編西尾市史 通史編1 原始・古代・中世』 愛知県西尾市 2022年
『六日町史 通史編 第一巻(自然・先史・古代・中世)』 南魚沼市教育委員会 2019年
『戦国史研究の軌跡―1983~2000年の東国史研究を中心に―』 岩田書院 2023年
『豊橋と陸軍師団―歴史と建物―』 シンプリ 2023年
◎<第12回駿台歴史講座> 参加方法
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。 ◆形 式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:5月16日(木)23:59 ◆参加費:無料 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
・視聴覚室は常時扉や窓を開放するなど、換気に努めます。 ・感染防止のために、上履き(スリッパ)は用意いたしません。靴底をマットで軽く拭き、土足のまま入校してください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、メール・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬 |