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●第14回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ

第14回<駿台歴史講座>講座を、7月13日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回は近現代史で、テーマは「観念の天皇と生身の天皇~昭和天皇について考える」、講師は古川隆久先生(日本大学教授)です。

日本の天皇は、海外の帝位や王位とはどこか異なるところがあり、これまで万世一系の特殊性などが強調されることもありましたが、その一方で天皇かくあるべきといった声があがることも少なくなく、天皇の意志が軽視されることもあり、常に圧倒的な権威が示されたというわけでもなさそうです。今回は、そのあたりの点について、昭和史研究の第一人者である古川先生にお話いただきます。なお、古川先生は山川出版社の「歴史総合」の教科書の著者の一人です。

夏季の休業に入る時期にあたりますが、ふるってご参加ください。お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。今回も、会場参加者には抽選で講師の著書を進呈いたします。

 

◎講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)

 1945年8月、昭和天皇(1901~1989)はポツダム宣言の受諾、つまり連合国への降伏を決断した。しかし、この降伏を阻止しようとする動きが陸海軍で起きた。それらは失敗したものの、1882年発布の「軍人勅諭」で「汝等軍人の大元帥」、つまり軍隊の最高司令官と規定された天皇の意志に反する動きが、なぜ軍人の中から起きたのか。

 近代の天皇は、1889年発布の大日本帝国憲法で「統治権の総攬者」、つまり国家意思の最終決定者、つまりは最高権力者として規定された。しかし、昭和天皇は、政治に関して自分の意志を常に貫けたわけではなかった。1935年の天皇機関説事件や1937年の日中戦争勃発以降の戦争指導の場面で、「天皇はこうあるべき」という周囲の意志に逆らうことができない状況が起きた。それはなぜか。そのことが、戦後の、現在にいたる日本に与えている影響は何か。

 こうしたことを考えることを通して、歴史学の社会的意味についても考えたい。

 

  • 古川 隆久 先生略歴

1981年 東京都立西高等学校卒

86年 東京大学文学部国史学専修課程卒、92年 同大学院人文科学研究科国史学専攻博士課程修了、博士(文学)

93年 広島大学総合科学部講師、96年 横浜市立大学国際文化学部講師、98年 同助教授、

2005年 同准教授、06年 日本大学文理学部教授  

 

  • 主な著書等

<単著>

『昭和戦中期の総合国策機関』(吉川弘文館, 1992年)

『皇紀・万博・オリンピック―皇室ブランドと経済発展』(中公新書, 1998年)

『戦時議会』(吉川弘文館, 2001年)

『戦時下の日本映画―人々は国策映画を観たか』(吉川弘文館, 2003年)

『政治家の生き方』(文春新書, 2004年)

『昭和戦中期の議会と行政』(吉川弘文館, 2005年)

『昭和戦後史―歴史エンタテインメント』(講談社, 2006年)

『あるエリート官僚の昭和秘史―「武部六蔵日記」を読む』(芙蓉選書, 2006年)

『早わかり昭和史―時代の流れが図解でわかる!』(日本実業出版社, 2006年)

『大正天皇』(吉川弘文館〈人物叢書〉, 2007年)

『東条英機―太平洋戦争をはじめた軍人宰相』(山川出版社日本史リブレット・人, 2009年)

『昭和天皇―「理性の君主」の孤独な生涯』(中公新書, 2011年)

『ポツダム宣言と軍国日本 敗者の日本史20』(吉川弘文館, 2012年)

『近衛文麿』(吉川弘文館〈人物叢書〉, 2015年) 

『昭和史』(ちくま新書, 2016年)

『建国神話の社会史―史実と虚偽の境界』(中公選書, 2020年)

『皇紀・万博・オリンピック: 皇室ブランドと経済発展』(吉川弘文館、2020年)

『政党政治家と近代日本: 前田米蔵の軌跡』(人文書院、2024年)

 

<共著ほか>

『武部六蔵日記』(芙蓉書房出版, 1999年)

『別冊 昭和ニッポン 一億二千万人の映像』(講談社, 2005年)

『第百一師団長日誌―伊東政喜中将の日中戦争』(中央公論新社, 2007年)

『「昭和天皇実録」講義』(吉川弘文館, 2015年)

『知のスクランブル: 文理的思考の挑戦』(ちくま新書, 2017年)

『昭和天皇拝謁記 初代宮内庁長官 田島道治の記録』全7巻(岩波書店, 2021-2023)

◎<第14回駿台歴史講座> 参加方法

□主   催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校

□後   援:森上教育研究所

  • 日   時:2024年7月13日(土)15:00~16:30
  • 会   場:駿台学園中学・高等学校(東京都北区王子6-1-10)

JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅徒歩10~12分

東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」徒歩12分

  • 講   師:古川 隆久 先生(日本大学教授)
  • 題   目:「観念の天皇と生身の天皇~昭和天皇について考える」

【講演のお申込み方法】

事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。

 

◆形    式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom)

◆定    員:対面30名+オンライン

◆締    切:7月11日(木)23:59

◆参加費:無料

◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。

https://docs.google.com/forms/d/17J1kLPhVfIvYLbSWBjf_dpVAESkicYG_501i3a3TIaY/viewform?edit_requested=true

  • Zoomのアプリは、無償でダウンロードが可能です。利用法は、至って簡単です。
  • 申し込みが完了した方に参加用のID、パスワード等をEmailでお送りするのは、7月11日(木)以降となります。Emailはhistory@sundaigakuen.ac.jp>か送信しますが、受信拒否されることが間々あります。受信が拒否されないよう、予め設定をお願いします。
  • 当日は、講義開始15分前までにZoomからミーティングに参加、またはご来校ください。Zoomに参加する際は、申し込み時と同じ名前をお使いください。
  • 当日の13:00以降は、担当者が会場にて講座準備を行うため、Emailのチェックができないことがありますので、予めご了解ください。

 

【お問い合わせ先】

◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、Email・電話で担当までお願いします。

電話:03-3913-5735      email:history@sundaigakuen.ac.jp               担当 平瀬