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●第15回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
<教科書・新書・選書の著者から直接話が聞ける講座>を目指して2023年に開講した<駿台歴史講座>講座、先月は夏休みを頂きましたが9月から再開、第15回を9月14日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回は古代史で、テーマは「文治3年(1187)「諸国勧進交名」を読む―新発見「水落地蔵」納入品から―」、講師は川尻秋生先生(早稲田大学文学学術院教授)です。川尻先生は、岩波新書の日本史シリーズや実教出版の「高校日本史B」の著者の一人です。
今回の講座は、最近発券された新史料に基づく研究成果であり、古代史から中世史にまたがる内容となります。11~12世紀の政治的な変革期に、荘園を含めた日本の社会がどのような変貌をとげたのかという点には、興味が尽きないものがあるかと思います。ぜひ、ふるってご参加ください。お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。今回も、会場参加者には抽選で講師の著書を進呈いたします。
- 講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
愛知県津島市西光寺に所蔵されている通称「水落地蔵」(重要文化財)の胎内から、近年、数多くの納入品が発見された。そのなかに文治3年(1187)の「諸国勧進交名」があり、仏像を製作するに当たって寄付を募った場所(荘園・寺社名など)が国数にして40ヶ国、寄進に参加した人名は1ヶ国につき100名程記されている。当時の勧進としては、歌舞伎「勧進帳」でも知られる、俊乗房・重源の東大寺大仏再建事業が知られていたが、それとはまったく異なった勧進の形態であった。
この交名のなかには、これまで一次史料には見られなかった著名な人物が含まれ、『吾妻鏡』の記載を裏付けることができる。また、考証の結果、勧進が、滅亡直前の奥州・平泉で行われ、鎌倉と平泉の緊張関係を反映していることも判明した。さらに中世のみならず、古代と共通する氏族名も数多く見られ、交名には古代の地域史を復原するにも有用な情報も見られる。
今回は、写真も提示しながら「諸国勧進交名」について検討を加え、主として古代・中世の東国及び東北の地域社会について考える手がかりとしてみたい。
- 川尻 秋生 先生 略歴
1961年 千葉県生まれ
1984年 早稲田大学第一文学部日本史学専修卒業 86年 同大学院文学研究科史学(日本史学)専攻修士課程修了、同年千葉県教育庁文化課博物館準備室勤務。89年千葉県立中央博物館学芸研究員、上席研究員 2003年早稲田大学文学部専任講師、2007年早稲田大学文学学術院准教授、11年同教授。2018~2020年早稲田大学文学学術院長。博士(文学・早稲田大学 2002年)。
- 主な著書等(単著のみ掲載)
<単著>
『日本古代の格と資財帳』(吉川弘文館) 2003年
『古代東国史の基礎的研究 』(塙書房) 2003年
『平将門の乱』(吉川弘文館 戦争の日本史4) 2007年
『揺れ動く貴族社会 平安時代』(小学館 集日本の歴史4) 2008年
『平安京遷都』(岩波新書 シリーズ日本古代史5) 2011年
『坂東の成立 飛鳥・奈良時代』(吉川弘文館 古代の東国2) 2017年
<編著・共編ほか>
『将門記を読む』(吉川弘文館 歴史と古典) 2009年
『日本古代の運河と水上交通』(八木書店) 2015年
『日本古代の道路と景観』(八木書店) 2017年
『古代の都城と交通』 (竹林舎 古代文学と隣接諸学 8) 2019年
『古代の都』(岩波書店 シリーズ 古代史をひらく) 2019年
『文字とことば』(岩波書店 シリーズ古代史をひらく) 2020年
『馬と古代社会』(八木書店) 2021年
『墨書土器と文字瓦』(八木書店) 2023年
『東国と信越』(シリーズ 地域の古代日本 (角川選書 657) 2022年
『天変地異と病』(岩波書店 シリーズ 古代史をひらくⅡ) 2024年
◎<第15回駿台歴史講座> 参加方法
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅徒歩10~12分 東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」徒歩12分
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。
◆形 式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:9月12日(木)23:59 ◆参加費:無料 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、Email・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬 |
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