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●第16回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
<教科書・新書・選書の著者から直接話が聞ける講座>を目指して2023年に開講した<駿台歴史講座>講座、第16回を10月19日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回は中世史で、テーマは「中世の家族と血統」、講師は本郷恵子先生(東京大学史料編纂所教授)です。
今回の講座は、古代・中世・近世・現代の家族や血統のあり方にスポットライトがあたります。家族のあり方は、現代でも大きな問題であり、時として政治の世界でも重要イシュー化することがあります。今回の講座は、歴史研究の成果を知ることに留まらず、私たちが現在のあるべき家族を考える上で、示唆に富む内容になるかと思います。ぜひ、ふるってご参加ください。お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。今回も、会場参加者には抽選で講師の著書を進呈いたします。
- 講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
「源氏物語」をテーマにしたNHKの大河ドラマ「光る君へ」では、平安時代の宮廷絵巻が描かれています。そこに登場する夫婦や親子の姿は、現代とは大きく異なっており、「はて?」と感じることも多いのではないでしょうか?また、江戸時代以降に強調された貞節や従順などの女性に関わる倫理観、「大奥」のように厳しく管理された空間と比較して、違和感をおぼえた方もおられるかもしれません。
藤原道長(966~1028)は、天皇の外戚となることによって権力を強化し、摂関家の栄華を実現しました。前近代では、多くの場合、地位や権力は血統や世襲によって継承されます。ただし、血統や世襲ほどあてにならないものもありません。11世紀後半には、藤原氏を外戚としない天皇があらわれ、「院政」という新しい政治の方法があらわれます。天皇家や貴族たちの家のありかたも大きく変化していきます。
中世の人々の家族や血統に関する感覚は、かなりゆるやかでおおらかだったと考えられます。逆の言い方をすれば、家族がセーフティネットにならない社会だったのですが、それに代わるコミュニティ――寺院や女性たちのネットワークなど――が重要な役割を果たしていました。身分によって生活スタイルもちがいますし、それぞれがめざす幸せの形も私たちが求めるものとはちがっています。歴史のなかのリアルな「家族」を知ることで、今日の家族の形や生き方の可能性を見直すことにつながればと思っています。
- 本郷 恵子 先生 略歴
1960年 東京都生まれ、79年 雙葉高等学校卒
84年 東京大学文学部国史学科卒、86年 同大学院人文科学研究科国史学専攻修士課程修了
87年 同博士課程単位取得退学
87年 同大学史料編纂所助手、99年 同助教授、2007年 同准教授、10年 同教授(21~23年所長)
博士(1999年文学・東京大学)
- 主な著書等(単著のみ掲載)
<単著>
『中世公家政権の研究』 1998年 東京大学出版会
『日本の歴史6 京・鎌倉 ふたつの王権』 2008年 小学館
『物語の舞台を歩く 古今著聞集』 2010年 山川出版社
『蕩尽する中世』 2012年 新潮社
『買い物の日本史』 2013 角川学芸出版(『中世人の経済感覚』を文庫化)
『怪しいものたちの中世』 2015年 角川選書
『院政 天皇と上皇の日本史』 2019年 講談社現代新書
『室町将軍の権力―鎌倉幕府にはできなかったこと―』 2020年 朝日文庫 ほか
<編著・共編ほか>
『岩波講座 日本歴史 第6巻 中世1』2013年 岩波書店
『近衛家名宝からたどる宮廷文化史』2016年 笠間書院 ほか
◎<第16回駿台歴史講座> 参加方法
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅徒歩10~12分 東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」徒歩12分
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。
◆形 式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:10月17日(木)23:59 ◆参加費:無料 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、Email・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬 |
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