第703回＜駿台天文講座＞「対面 ＋ オンライン」形式で開催のお知らせ

10月19日（土）17:00から、第703回＜駿台天文講座＞をオンラインと対面形式で開催します。今月のテーマは、「銀河の輝線強度マッピング観測と機械学習の応用」で、講師は森脇 可奈先生（東京大学大学院理学系研究科附属ビッグバン宇宙国際研究センター助教）です。

宇宙空間において、物質や銀河は特徴的な分布の仕方をしていることが知られています。それらのなす構造は宇宙大規模構造と呼ばれ、宇宙の進化を理解する上で非常に重要となります。今後十年以内に実施されるはずの天文観測では、様ざまな大型望遠鏡を用いてかつてない規模のデータが得られ、宇宙や銀河の進化に関して新たな発見が得られると期待されています。講師の森脇先生は、こうした観測データの効率的な解析手法について研究しています。

近年、天文研究においても AI の技術が用いられてきており、深層学習を用いて膨大な観測データからノイズを除去して大規模構造の様子を明らかにするための研究が進められています。機械の学習にはコンピュータシミュレーションによって得られたデータを用います。本講演では、こうした研究で用いる深層学習モデルやシミュレーションについて説明したのち、得られた結果を紹介していただきます。また、こうした観測によって宇宙の構成要素や進化、銀河の形成過程についてどのような知見が得られるかについても合わせてご説明いただきます。森脇先生は2021年度の東京大学総長賞受賞者で現在注目されている若手研究者の一人です。テーマも興味深いものですので、ぜひお誘い合わせの上ふるってご参加下さい。