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●第21回<駿台歴史講座> 開催のお知らせ
日 時:2025年3月22日(土) 15:00~16:30
講 師:山口 輝臣 先生 東京大学大学院総合文化研究科教授
演 題:『渋沢栄一の慈善活動から見えてくる戦前の日本社会とその変化』
<教科書・新書・選書の著者から直接話が聞ける講座>を目指して2023年に開講した<駿台歴史講座>講座、第21回を3月22日(土)15:00から対面とオンラインで開催します。今回の対象は近現代で、テーマは『渋沢栄一の慈善活動から見えてくる戦前の日本社会とその変化』、講師は山口輝臣先生(東京大学大学院総合文化研究科教授)です。山口先生が編著者となっている筑摩新書の『明治史講義』や山川出版社の『日本史の現在』のシリーズを読まれた方は少なくないかと思います。
渋沢栄一は、駿台学園がある北区王子との縁も浅からぬものがあり、地元では新札導入を熱烈歓迎するムードがありますが、さきごろ行われた都内の中学入試でも渋沢栄一が出題された学校が少なくないようです。渋沢については、近年のその産業界の巨人とは別の面が注目されていますが、今回は近代以降の宗教・思想を研究テーマの中心に置かれてきた山口先生に、渋沢の新しいイメージについてお話し頂きます。ふるってご参加頂ければと思います。お知り合いの方にもお知らせ頂けると幸甚です。今回も、会場参加者には抽選で講師の著書を進呈いたします。
なお、前回2月の講座では、開始早々のオンライン関係の機器の不調でご迷惑をおかけしました。この場を借りて深くお詫び申し上げます。今後繰り返さないよう、万全を期していく所存です。
- 講演要旨(講師から頂いたものをそのまま掲載しています)
1万円札の新たな顔となることが決まった少し前頃から、渋沢栄一(1840-1931)について、従来とは異なる視角に基づく研究が進み、そのイメージは劇的に変わりつつある。「日本資本主義の父」ともいわれる実業家として経済活動がその基軸であることを前提にしつつも、渋沢栄一によるそれ以外の活動、なかでもとりわけ大きな割合をしめる慈善活動――最近はフィランソロピーと呼ぶことも多い――の諸相について、その背後にあるかれの思想にまで遡った研究がなされ、渋沢栄一という人物とその活動の多面性や複雑さが浮かび上がってきたことによる。
講演では、そうした渋沢栄一によるフィランソロピーを題材にしながら、それによって戦前の日本社会とその変化をどう読み解くことができるかを考えてみたい。渋沢栄一は、その生涯に関わる史料の重要部分がデジタル化されている日本において稀有な存在でもある。今回はそれも適宜活用することで、先生のお話を聞き教科書を読んでお勉強する歴史から進んで、自ら史料を読んで考える歴史学への扉を開くきっかけになればなどと、少々欲張りなことも考えている。
- 山口 輝臣 先生 略歴
1970年 横浜市生まれ
1988年 神奈川県立希望ケ丘高等学校卒
1992年 東京大学文学部国史学専修課程卒
1998年 同大学院人文社会系研究科博士課程
1998年 高知大学人文学部講師、2000年 同助教授
2001年 九州大学大学院人文科学研究院助教授
2016年 東京大学大学院総合文化研究科准教授 2021年 同教授
博士(1998年・文学・東京大学)
- 主な著書等
<単著>
『明治国家と宗教』 東京大学出版会 1999年
『明治神宮の出現』 吉川弘文館 2005年
『島地黙雷――「政教分離」をもたらした僧侶』 山川出版社日本史リブレット 2013年
<共著・共編ほか>
『19世紀日本の歴史―明治維新を考える』 日本放送出版協会 2000年
『天皇の歴史 09―天皇と宗教』 講談社 2011年 講談社学術文庫 2018年
『日記に読む近代日本3 大正』 吉川弘文館 2012年
『戦後史のなかの「国家神道」』 山川出版社 2018年
『はじめての明治史――東大駒場連続講義』筑摩書房ちくまプリマー新書 2018年
『明治史講義 テーマ篇』 ちくま新書 2018年
『明治史研究の最前線』 筑摩選書 2020年
『渋沢栄一はなぜ「宗教」を支援したのか』 ミネルヴァ書房、2022年
『思想史講義 大正篇』 ちくま新書 2022年
『思想史講義 明治篇Ⅰ』 ちくま新書 2022年
『思想史講義 戦前昭和篇』 ちくま新書 2022年
『思想史講義 明治篇Ⅱ』 ちくま新書 2023年
『日本史の現在5近現代①』 山川出版社、2024年
『日本史の現在6近現代②』 山川出版社、2024年
◎<第21回駿台歴史講座> 参加方法
□主 催:学校法人 駿台学園 駿台学園中学・高等学校 □後 援:森上教育研究所
JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子」駅徒歩10~12分 東京さくらトラム(都電荒川線)「王子駅前」徒歩12分
【講演のお申込み方法】 事前予約は不要です。ただし、可能であれば準備の都合もありますので、事前登録にご協力ください。
◆形 式:対面(駿台学園多目的室にて実施)またはオンライン(使用アプリ:Zoom) ◆定 員:対面30名+オンライン ◆締 切:3月20日(木)23:59 ◆参加費:無料 ◆申し込み方法:下のURLもしくは、右のQRコードから登録画面に入り、事前登録ください。
【お問い合わせ先】 ◎オンライン講演、その他のお問い合わせは、Email・電話で担当までお願いします。 電話:03-3913-5735 email:history@sundaigakuen.ac.jp 担当 平瀬 |
◎2025年度の予定